オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

2015-01-01から1年間の記事一覧

ドラクエ気分で玉川上水を始めから終わりまで散歩してきた

オランウータン日誌です、こんにちは。 江戸時代、市中への安定した飲料水の供給を可能にするために、度重なる失敗を経ながらも、多摩川から羽村・四谷間に引かれた用水路、玉川上水。 現在、下流部分は大半が暗渠となっているが、上流部分は緑道に整備され…

橋口亮輔「恋人たち」を観る――祈りのような、強く優しいまなざし

オランウータン日誌です、こんにちは。 橋口亮輔監督の映画「恋人たち」を観る。 koibitotachi.com 「多い方と少ない方の少ない方の人間でも自分の生きる世界を好きになろうとしている」*1さまを描いた「ハッシュ!」、人と人とのつながりを決して諦めずに見…

【本の選び方】友だちに勧められた本は最上の出会い

オランウータン日誌です、こんにちは。 新刊、古書を問わず、本屋に足を運んでアンテナを高くしておくと、自然と読みたい本は決まってくるんだけど、おのずと趣味の幅が決まってきてしまいがち。 新たな良書との出会いをもたらす、もっともいい方法は、実は…

【本の選び方】古書店は良質な出会いの場

オランウータン日誌です、こんにちは。 新刊書店は、社会で何が読まれているのかとか、どういうものの考え方があるのかとか、トレンドを把握するために足を運ぶ、というようなことを書いたのだけど、今回は古書店のこと。 一言でいうと、古書店は本との良質…

妻に最低と言われた話――怒りを怒りとして表現する大切さ

オランウータン日誌です、こんにちは。 ふだんは、むやみに不安になるだけなので将来のことを思い詰めないようにしているんだけど、そろそろ来年度のことを考える時期に来ていて、だから、否が応でも考えさせられる。 すると、家でごはんを食べている時など…

短歌に感動できなくなってきてしまった――たとへば君

オランウータン日誌です、こんにちは。 たとえへば君 ガサッと落ち葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか 河野裕子 毎年、この季節になると思い出す歌だ。 恋愛の心情を、「ガサッと落ち葉すくふ」という、おおよそ恋愛とは離れた動作と音に重ねて詠ん…

祖母とチャルメラちゃんぽんを作って食べる――生活のための料理はおいしい

オランウータン日誌です、こんにちは。 前の日に遊びに行くねと連絡しておいて、土曜のお昼前に祖母の家に行く。しばらく世間話をして、そろそろごはんにしようか、という話になる。 「チャルメラのちゃんぽんがあるから、それを作ろうかね。具をたくさん入…

神宮外苑・早稲田・雑司ヶ谷サイクリング――街と街のつながりを実感する楽しさ

オランウータン日誌です、こんにちは。 妻が友だちの結婚式で福岡に飛んでいるので、今日は一人で自転車に乗って出かける。 多摩川沿いから246に折れて、神宮外苑まで延々と進む。神宮のイチョウは今が見ごろ。朝の10時前だというのにけっこう賑わうイチョ…

三年前のきょう撮った写真

オランウータン日誌です、こんにちは。 三年前のきょう、2012年11月27日に、友だちとサイクリングに出かけた多摩川の近くで撮った写真。 多摩川サイクリングロードは、立川と国立の市境くらいでいったん途切れて、少し路地の細い通りを抜けて、また川べりに…

自転車とフィルムカメラは相性がいい

オランウータン日誌です、こんにちは。 コンパクトフィルムカメラのRICOH GR10を、気が向いたときは平日でもカバンに放り込んで持ち歩く。 持っているからと言って必ず写真を撮るわけではなく、むしろ撮らない日の方が多いくらい。 246が山手通りと交わる道…

昔の女と会う男――自分のアイデンティのために相手を利用する、無意識の打算

「昔の恋人を男は名前を付けて保存、女は上書きして保存」という説を支持しているオランウータン日誌です、こんにちは。 というのも、むかし付き合っていた女と会い続ける男が世の中には一定数いるように感じるから。 その男がモテないから、むかし付き合っ…

3つの「夏服を着た女たち」――目の前にある身体と声の力

オランウータン日誌です、こんにちは。 昨日は代田橋のCHUBBYというカフェに、激情コミュニティという劇団の舞台「夏服を着た女たち」を観に行ってきた。原作はアーウィン・ショーの短編小説。 geki-comi.com 夏服を着た女たち (講談社文庫)作者: アーウィン…

もらったフィルムカメラを使い倒していきたい――RICOH GR10で撮った昭和記念公園サイクリング

オランウータン日誌です、こんにちは。 今年の正月に、その数か月前に亡くなった大叔父の使っていたカメラを譲り受けた。 NikonのF80、RICOHのGR10という、どちらもフィルムカメラだ。 Nikonの方は、レンズ内部にカビが発生しているし、何より、フィルムの一…

【リア充を気取れ!】ボジョレー・ヌーヴォー2015会をする

下戸のくせにお酒を飲むのは嫌いではないオランウータン日誌です、こんにちは。 11月19日に解禁になったボジョレー・ヌーヴォー2015を飲もうという口実で、僕の家に、妻の高校の同級生を招いて昼酒をする。 料理は持ち寄りで、だから、僕の家でやる…

イチョウ並木の昭和記念公園でサイクリングしてきた

オランウータン日誌です、こんにちは。 イチョウがそろそろ見ごろ! とニュースで聞いたので、昭和記念公園までサイクリングして遊びに行ってきた。 一番の見どころのイチョウ並木はけっこう葉を落としてしまっていたのだけど、地べたが黄葉で埋められていて…

【本の選び方】新刊書店は、本棚を眺めるだけでも充分楽しい!

オランウータン日誌です、こんにちは。 orangutan-nisshi.hatenablog.com 友だちに本の選び方について聞かれてふりかえりをしてみたら、思いのほか長くなりそうだったので、いくつかに分けて考えてみる。 今日は新刊を扱う本屋さんの利用方について。 読まれ…

知識を広げる、深める 芋づる式読書

読書の秋ですね、オランウータン日誌です、こんにちは。 先日、いろんなジャンルの本を読んでいるというエントリをアップしたら、どうやって読む本を選んでいるのか、とコメントしてくれた友だちがいて、言われてみればどうやって、と考え込む。 orangutan-n…

目指せ料理上手!――ふつうのごはんを手早くおいしく

ごはんを作るのも、食べるのも大好きなオランウータン日誌です、こんにちは。 大好きとはいっても、決してグルメではないし(違いの分からない男オランウータン日誌)、料理上手でもなくって、この先、味にうるさくなるつもりはないんだけど、料理上手にはなり…

ハネムーンのバリ島で入院した話

オランウータン日誌です、こんにちは。 去年の昨日、結婚式を挙げた。もう一年、早いなぁ。結婚式からちょうど一年と言っても別段特別なことはせず、ふだんどおり。晩ごはんは、豚肉とエノキの柚子胡椒炒め、サンマの塩焼き、煮豆、みそ汁。それにおととい作…

この人がいてよかったと思う時――ごはんを作って一緒に食べる話

たまの一人ですごす週末には、つい食事がおろそかに……、カップ麺、納豆ご飯、外に丼物を食べに行く、などなどをしてしまいがちなオランウータン日誌です、こんにちは。 きのう何食べた?(4) (モーニングコミックス)作者: よしながふみ出版社/メーカー: 講…

マキヒロチの「明太フランス」と角田光代の「明太フレンチ」――生きる糧となるごはんの記憶

けっこう漫画も読みます、オランウータン日誌です、こんにちは。 『いつかティファニーで朝食を』の「明太フランス」 いつかティファニーで朝食を 8 (BUNCH COMICS)作者: マキヒロチ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/11/09メディア: コミックこの商品を…

長嶋有の父親と言葉を交わしたことがあった

雨ですね。オランウータン日誌です、こんにちは。 5年前、当時の僕は短歌にはまってて、休みとなると古本屋に出向いては短歌の本を探していた。 ブックオフにはあまりそういう本は置いていなくって、古本屋というよりは「古書店」といった雰囲気の店のほう…

様々なジャンルの本を並行して読み進める――本と本をつなげて自分だけの星座を描く

哲学の本からモテテクニックの本まで何でも好きです、オランウータン日誌です、こんにちは。いったい何なりたい人なんだろう。 大学時代、文学部の教授ではなかったけど、ある先生が本の読み方について講義の中で話していたのが、今でも心に残っている。 本…

読書におすすめ! 100均の半透明の極細ふせんが超便利――ふせんを貼って本と自分の関係を作る

本を読むときは内容だけでなく、言葉のディテールまで楽しんでいます、違いの分かる男のオランウータン日誌です、こんにちは。 違いが分かる男かどうかは別にしても、本を読んでいると細かい部分が気になるのは本当。 たとえば小説なら、登場人物が食べてい…

【レビュー】ニコルソン・ベイカー『中二階』――横道に逸れ続けることで現れる美しさ

今月の目標は「たくさん感じて、たくさん反応する」です、オランウータン日誌です、こんにちは。 歩いていて、通勤していて、本を読んでいて、僕たちはいろいろなモノや出来事にふれて、さまざまなこと感じながら生活している。 感じたさまざまなことたちを…

4年間変わらず1日1ページ手帳 EDiTを使う

変化の多いこの時代を、ふにゃふにゃと柔軟に生き抜いていきたいオランウータン日誌です、こんにちは。 この4年間で、僕は3回引っ越して、何回か恋をして、失恋した。この人こそはという女性と出会って、恋愛関係に陥って、結婚した。 そんなこんなで、僕…

女は愛嬌という「処世術」

雨が降りそうな空模様なので自転車での通勤ができず、持て余し気味のオランウータン日誌です、こんにちは。 持て余してるので、過去に書いた文章を見ていたら、今とあまり考えてることは変わっていないことに気付く。 この文章を書いたのは、もう3年前だ。 …

「インスタント沼」 「マジック・イン・ムーンライト」を観る――正しくなくても楽しい人生!

週末はどんよりした天気で気分もさがり気味、することもなく家にいるのに昼ご飯はカップ麺、時間的ゆとりはあるが丁寧でない生活を送るオランウータン日誌です、こんにちは。こんなんじゃサードウェーブに乗り遅れる! 暇人らしく、DVDを借りてくることはし…

採血すると倒れます――原因の考察とその対策

身長180センチ、体重60キロ台中盤、腹囲もノープロブレム、健康状態良好のオランウータン日誌です、こんばんは。 そんなわけで、職場で受けさせてもらえる健康診断も、――昼食を抜く腹ペコ感がつらいくらいで、特に懸念はない。 ……なかったんだけど、いざ病院…

たどたどしい表現の後ろに広がる世界――フンデルトワッサー、乳幼児の発声

本を読むのは確かに好きだけど、多読家というには程遠くて、一冊読むのに結構な時間がかかるオランウータン日誌です、こんにちは。 昨日、高山なおみのエッセイから「老人の体に棲みついて離れない記憶というものがあるのを見た気がした」というフレーズをひ…