オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

グラフィックファシリテーションの教科書

山田夏子『グラフィックファシリテーションの教科書』を読み終える。



グラフィックファシリテーションのテクニック的なところについては、自分の画力で実践できるかはかなり未知数。(っていうか多分無理)


けど、ファシリテーションをする上で大事にしたいエッセンスについての説明は面白かった!話し合いの場が対話的で楽しいものになるために、グラファシの考え方は取り入れていきたいな。

現実を3つのレベルで捉える


山田によると、人は3つのレベルで現実を捉えているとのこと。合意可能な現実レベル、こうだったらいいなーのドリーミングなレベル、なぜそうしたいのかの源泉にあるエッセンスのレベル。


保育の現場に即して考えると、保育士ってみんないい人たちばかりなんだけど、自分のエッセンスのレベルに無自覚だったり、ドリーミングな部分と合意可能な現実レベルの区別なく話す傾向があったり、けっこう話し合いがカオスになりがち。


だから、ロジカルにファシる必要があるんだけど、ロジカルに詰めすぎると辛い気持ちになるので、ドリーミングやエッセンスのレベルもきちんと引き出しながら対話を進めていく必要がある。そこで、ドリーミングやエッセンスを可視化するグラフィックファシリテーションは大いに役立つだろう。


グラファシは、上手に描いて実践はできないにせよ、普段のホワイトボードへの記録にイラストを入れるくらいでももしかしたら効果があるかも。

目的を捉えよう

まずはその話し合いの場が何を目的としているのか、ファシリテーター自身が捉えること、そして、参加者一人ひとりもその目的を握れるようになることが必要。


僕は、会議をするにあたっては、議題表の議題ごとにアウトプット、という欄を設けてその議論のゴールはどこにあるのかを示すようにしている。それに加え、そもそもなぜそのようなゴールに至る必要があるのかも共通理解が必要ということだろう。

話し合いのはじめに、目的を丁寧に共有する。そこでも、ドリーミングやエッセンスに目を向ける必要があるのだろう。

自分の価値観に自覚的になろう

ファシリテーター自身も、自分のドリーミングやエッセンスのレベルに自覚的になることが必要である、という指摘もおもしろかった。対人援助職として、自己覚知が必要だということは常に意識しているのだけど、ファシリテーションも人を相手にする以上そうなのだ。


自分のドリーミングやエッセンスを自覚するためにも、自分の内面を描き出すようなグラファシを自分のためにする、なんて手法は試してみたい。今までも、モヤモヤすることがあった時はマインドマップを書いてブレストしてたけど、自分向けのグラファシでのブレストも試してみたいと思う。