オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

2013-01-01から1年間の記事一覧

自炊ライフにオススメ!『きのう何食べた?』①献立集

食べるのって楽しいですよね。 私事ですが、最近引っ越しをしまして、一人暮らしを始めました。 男の一人暮らし、いかにも荒んだ食生活を送りそう……、ですが、僕は食への執着凄まじく、朝昼晩きっちり食べないと気が済まないので、どうにか自炊を続けていま…

どんな解釈も受け容れてくれるのが芸術のかっこいいところ!

高校生だった時にジョン・レノンの「Starting Over」という曲を聴いていっぺんに好きになって、早口の英語が何言ってるのか全然わからなかったから、自分で歌詞を引っ張ってきて見比べながら、何度もCDをリピートした。 ジョン・レノン最後のアルバムに収め…

秋になれば秋が好きよと

この秋初めての鍋をする。 鍋と言っても本格的な寄せ鍋ではなく、ざく切りした白菜と豚肉の切り落としを交互に重ねて、酒をひと回しと、だしの素をしょっしょっとまぶして火にかけるだけの、ごく簡単なものだ。白菜の水分で全体が蒸し煮になってしんなりした…

二人の新しい言葉

食事の席で、二人は新しい言葉を喋っていた。もちろん、私にも意味が分かる日本語を話しているが、それは私と友人が普段喋っている言葉とは、少し違う。新しい言葉がすでに二人の間で発明され、二人に馴染みのものとなっている。でも私だって確かにそうだっ…

突然の激しき雷雨この夏に二人を閉ざしていてはくれぬか

突然の激しき雷雨この夏に二人を閉ざしていてはくれぬか 短歌が好きです。短歌作りたいなぁ、とはいつも思ってるんだけど、時間にも心にも余裕がなくて、なかなかできないでいる。 けどこないだ、パソコンに入ってる自作短歌ファイルを友だちに見られて、僕…

「レオ・レオニ 絵本のしごと」展は大人も充分楽しめる!

「レオ・レオニ 絵本のしごと」展を見に行ってきました。(開催概要&チケット情報 | レオ・レオニ 絵本のしごと | Bunkamura) 保育士としての資質を高めるために、という勤勉な話ではなく、広告でこの展覧会を見かけて、あっ、このネズミ懐かしい、いま見…

日常のキラキラ感をアップさせる方法(三十一文字のススメ)

小説やドラマになるような出来事がなくても、私たちの日常には楽しかったりいいなって思ったり、あるいは悲しかったりする瞬間がそれなりにはあって、そういう心動かされる経験を前にすると、その瞬間をどのようにかして残しておきたいと思う。 恋状態に陥っ…

大人の男が人前で食べても恥ずかしくないおやつとは何か

大人の男が人前で食べても恥ずかしくないおやつとは何か、ということをここ最近ずっと考えてて、ドライフルーツがベストなんじゃないかという結論に至った。どうだろうか。 保育士は肉体労働者なので、仕事終わりにはお腹がすくし、甘いものがほしくなる。 …

子どもは皮肉な詩人です。

「うちのお母さんの会社は××××(某有名企業)なの!本を作るお仕事してるんだよ!」 ということをほぼ毎日、たとえばみんなで給食おいしいねぇみたいな話をしているときなんかに、全く空気を読まずに言ってくる女の子がいて、私はその度に「チッ」と思って(…

忙しいのは積極的に引き受けるけど対価は払ってください

高校生だった時の私の将来の夢は、仕事だけでなく、家庭、地域社会でも活躍できる素敵なハズバンドになることだった。仕事に追われて、「忙しい」が口癖の大人にはなるまいと思っていた。 保育士になった今でも、その思いはだいたい変わっていなくて、私自身…

どうやって相手の気を引く?

思いを伝えようとする姿って素敵だ。自然と目を向けたくなる。そんなことをこないだから考えてる。きっかけは犬だ。 友だちとごはんを食べに行ったときに、隣の席のゴールデンレトリーバーがときどきこちらのテーブルに来て、私たちに背中を向けて座る、とい…

私はこの道を見たことがないけれど世界が素晴らしいことは感じられる

私は馬車に乗ったことがない。アカシアがどんな花なのかも知らない。白い時計台を見たこともない。 いったい、日本でふつうに生活している人のうち、どれくらいの人がこれらすべてを見知っているのだろうか。 それでも、私はこれらのものがきっと美しいだろ…

相手と向き合うための自己愛

昔付き合っていた女子に新しい恋人ができて幸せにしているらしい、という話を耳にするともやもやする。 もやもやする原因がその女子に対する未練であるならまだ健全だ。なぜなら、未練を感じているということは、一人の人間同士として、その女子と同じ土俵で…

さわる、さわられる、気持ちいい

人にさわったり、さわられたりするのって気持ちいい。 誰かと手をつなぐとき、髪をなでるとき、頬にふれるとき、私たちはふれる/ふれられることによって、互いに快を感じている。体調が悪いとき、不調を来している患部にそっと手を置いてもらうことによって…

言葉ってやっぱり世界を変える

言葉ってやっぱり世界を変えるなぁ、と実感させられた子どもとのエピソードについて書く。 気持ちのいい天気だったので園外に散歩に出かけてみると、近所で飼われている白い大きな犬がすっかり気を緩めて昼寝している。T君は部屋で遊んでいるときよく犬や猫…

歌うように子どもと話そう

保育園の先生というと大きな声で元気いっぱい子どもたちと遊ぶ姿をイメージするかもしれないが、私は基本的に子どもとかかわるときには大きな声を出さないようにしている。本当は100メートル先にいる人と話せる程度には大きくてよく通る声をしているのだ…

ほのぼのエピソード(寝起き、かくれんぼ編)から考える自意識の発達

たまには保育園の先生らしく、子どものほのぼのエピソードを書こうと思う。 「せんせぇ見て見て……」 私の勤めている保育園ではお昼を食べたあと、1歳児クラスの子どもたち(年度末の時期では半数以上の子どもが2歳になっている)はおやつまでの2~3時間…

「私の思い」を相手に届ける「Iメッセージ」のコミュニケーション

人が誰かの働きかけによって何かしようとするときには、合理的・目的的な理由よりも、その相手の思いの強さによるところが大きい。これは子どもと毎日過ごしていて身をもって感じることである。 かけがえのない「あなた」と他ならぬ「私」の関係性の中で、「…

保護者と良好なコミュニケーションを築くために重要なことは何か

保護者と良好なコミュニケーションを築くために、前提となる心構えとして、すべての保護者はその人特有の価値観を持っており、その価値観に基づいて子育てをしているということを理解する必要がある。その上で、保育者は子どもに関する専門性をもとに、それ…

「保育サービス」の充実は子どもの育ちを支えるのか

「保育サービス」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか? これは保育士の就職をはじめとした各種試験においてよく問われることである。 「何を思い浮かべますか」という聞き方自体おかしくて、つい「ちょうちょが飛んでるお花畑を思い浮かべます」とか答…

よりよい生につながる言葉をはぐくむ

私たちは「言葉の力」とか「言葉の重要性」といった口当たりのいいキャッチフレーズを安易に信じてしまいがちである。 だが、そもそも言葉とは人間にとってどのようなものであるのか、ということを考えずにそれらを盲信するのはあまりに皮相的である。そのよ…

子どもの行動は子どもの心の表現である。

子どもの行動に注目するのではなく、その行動の背後にある心の動きをくみとることで、子どもとのやりとりがスムーズになるということがよくある。 それは育児をする上でのテクニックである以上の、子どもの成長にとって必要な関わり方でもある。 事例をもと…

子どもの何を育てたいのか―「ゆとり」の意図するもの

私たち大人の子どもへの関わり方に、子どもにどう育って欲しいと思っているのかが端的にあらわれる。 たとえば、1歳の子どもが他の子どもが遊んでいるおもちゃを横取りした時の、次の二つの対応を考えてみたい。 A:「お友だちのおもちゃを取ってはいけませ…