秋になれば秋が好きよと
この秋初めての鍋をする。
鍋と言っても本格的な寄せ鍋ではなく、ざく切りした白菜と豚肉の切り落としを交互に重ねて、酒をひと回しと、だしの素をしょっしょっとまぶして火にかけるだけの、ごく簡単なものだ。白菜の水分で全体が蒸し煮になってしんなりしたころに火から下ろして、味ぽんに浸して食べる。
副菜は、甘い感じのものがいいと思って、エリンギをさいてホイル焼きにして、バター醤油で味付けする。あと一品、簡単に納豆。
夏の暑さが去ってしまうのは寂しいけれど、涼しくなったら涼しくなったで、ほくほくって幸せな気分を感じる機会はあるもので、鍋を食べながら泣きそうになった。他にはたとえば、ちょっとひんやりしたシーツと掛布団の間にもぐりこむときとか、世界が自分を愛してくれている気分を味わえるのって、寒い季節の醍醐味だと思う。
今週のお題「秋の味覚」