「インスタント沼」 「マジック・イン・ムーンライト」を観る――正しくなくても楽しい人生!
週末はどんよりした天気で気分もさがり気味、することもなく家にいるのに昼ご飯はカップ麺、時間的ゆとりはあるが丁寧でない生活を送るオランウータン日誌です、こんにちは。こんなんじゃサードウェーブに乗り遅れる!
暇人らしく、DVDを借りてくることはしてて、土曜日曜と一本ずつ見たんだけど、どちらも、正しくないことや偽物だって別にいーじゃんという気分を味わえる楽しい映画だった。
ジリ貧OLが――とはいえ出版社の編集長のポストを任されてて充分恵まれた境遇に見えるんだけど、現状を打破するために、本当の父親(かもしれない人)に会いに行ってみたり、骨董屋を開いてみたりと大立ち回り。
やることなすこと現状を悪化させているようにしか見えなくても、彼女はとっても楽しそう。
「オシャレなものってムカつくよな~」
オシャレじゃなくても、本物じゃなくても、傍目でみたらアホらしくても、水道の蛇口をひねれば水は出てきて全部洗い流してくれる!(ような気分になる)
僕の永遠のスイートハート麻生久美子が主演、コミカルでキュートな演技に悶死、「時効警察」で発揮されていた三木聡監督一流の小ネタも満載で、むやみにハイテンションで楽しい映画。
とにかく! 水道の蛇口を捻れ!
そして そのうそと意地と見栄で
塗り固められた
しょうもない日常を洗い流すのだあ!
論理で説明できないことはないと言い切る天才マジシャンと、そんな天才マジシャンをもあざむく美人霊能力者。
お互いに惹かれあいながらも、インテリ特有の論理への過剰な自負や自意識が邪魔をする。
霊能力なんて、絶対ペテン。おまけに、頭がよくって魅力的な僕にぴったりのフィアンセがいるし。あの小娘に惹かれる理由はない!
人生を楽しくするのは、理屈では説明できない感情、嘘や幻想だって必要じゃない?
素直になればいいものを、インテリ特有の自意識過剰、ウザさ全開! いかにもウディ・アレンが描く男という感じのマジシャンに苦笑と、――ちょっとの共感もしつつ、ハッピーな気分で見られる映画だった。