オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

【本の選び方】友だちに勧められた本は最上の出会い

オランウータン日誌です、こんにちは。


新刊、古書を問わず、本屋に足を運んでアンテナを高くしておくと、自然と読みたい本は決まってくるんだけど、おのずと趣味の幅が決まってきてしまいがち。


新たな良書との出会いをもたらす、もっともいい方法は、実は友だちにおすすめの本を教えてもらうことなんじゃないかと思ってる。


仲のいい友だちはいくら気が合うといっても、まったくおんなじ思考回路を持っているわけではもちろんなくって、そんな友だちの好きな本を勧めてもらうと、自分の興味関心と重なる部分もありつつ、新鮮なものの見方や感じ方を発見できる。


発見があるのは、本に書いてある内容だけではなくって、その友だちが考えていることや、大切にしていることを、そっと見せてもらったような気分、一つ深く友だちのことを知ることができる。


友だちに教えてもらって、僕の本棚に並ぶことになった作品もけっこうあって、たとえば伊藤計劃虐殺器官』、『ハーモニー』。オーウェル『一九八四年』。SFを読む習慣がなかったんだけど、純文学とは異なる豊かな世界が広がっていることを教えてもらった。須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』は、自分の過去の体験を描くエッセイでも、哀惜を込めて丁寧に描くと素晴らしい作品になる、ということを感じさせられた。


そんなふうにして出会った本には、教えてくれた友だちの顔や、その当時の関係が引き離しがたくはりついていて、大切にしたいと思う。


以上、オランウータン日誌がお届けしました。