オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

ドラクエ気分で玉川上水を始めから終わりまで散歩してきた

オランウータン日誌です、こんにちは。


江戸時代、市中への安定した飲料水の供給を可能にするために、度重なる失敗を経ながらも、多摩川から羽村・四谷間に引かれた用水路、玉川上水


現在、下流部分は大半が暗渠となっているが、上流部分は緑道に整備されて、とても気持ちのいい道になっている。


決して運動好きではない仲間内で、


「気持ちよく体を動かして休日を過ごしたいね、でも遠出せず気軽なヤツ」


という話になった時に、散歩に行こうというシンプルな結論になって、そんなわけで、玉川上水の起点から、用水路が残る最後の地点まで、ひたすら散歩してきた。

ドラクエのごとき冒険


多摩川沿いの羽村取水堰から上水路が残る最終地点の久我山まで約35キロ。


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羽村取水堰。今回の散歩の起点)


もちろん日常生活内で徒歩で移動するような距離ではなくって、散歩なんていっても、けっこういい運動になる。


家並みの変化をながめながら、何でもない雑談をしながらひたすら歩くのだけなのだけど、それでもちょっとした冒険気分を味わえる。


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トタン屋根の家がたくさんある地域を歩いていると、上水沿いを歩いているはずなのにひとん家の庭としか思えないような所に入って、住人と目が合って気まずい思いをする。


「あれはだれでちょうね~」我々を見て老住人、孫に語りかける。


――すみません! 間違えました!


引き返そうとすると、いいよ通ってと合図される。おおらかだなぁ。


そうかと思うと、上水沿いからそれてしまって迷って困る。すると、話しかけてくる地元民。


「踏切の所を曲がってまっすぐ行くとミズクライド公園という公園がある。その公園のなかを抜けると、また上水沿いに出るよ。昔はずっと上水沿いを行けたんだけどね」


都合のいいタイミングで現れる住人、まるでRPGの村人Aのようだ。


我々が道に迷ってここに来るまでずっとここにいるように、設計者たる神が村人をプログラミングしていたにちがいない!


村人Aありがたいね、そんな失礼なことを話しながら、踏切の手前の道を折れて歩き始める。


――あれ、行き止まりだね。


間違えたか、なんて話していると、踏切を通りかかる車がこっちに叫んでる。


「おーい、そっちじゃないよー! 踏切渡ったほうの道だよー!」


叫んでいるのは、さっきの村人Aだ! なんて周到なプログラミング!


村人(通りがかりの市民)から適切に情報収集して、難しいダンジョン(ふつうの住宅街)をクリアしたパーティ、興奮しながらミズクライド公園に至る。ちなみに、ミズクライド公園というこれまたRPGのような名前の公園は、「水喰土公園」という浸食土の地層の落ち着いた公園だった。


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そんなこんなで、険しい散歩の道は続く。


以上、オランウータン日誌がお届けしました。