保育
言葉ってやっぱり世界を変えるなぁ、と実感させられた子どもとのエピソードについて書く。 気持ちのいい天気だったので園外に散歩に出かけてみると、近所で飼われている白い大きな犬がすっかり気を緩めて昼寝している。T君は部屋で遊んでいるときよく犬や猫…
保育園の先生というと大きな声で元気いっぱい子どもたちと遊ぶ姿をイメージするかもしれないが、私は基本的に子どもとかかわるときには大きな声を出さないようにしている。本当は100メートル先にいる人と話せる程度には大きくてよく通る声をしているのだ…
たまには保育園の先生らしく、子どものほのぼのエピソードを書こうと思う。 「せんせぇ見て見て……」 私の勤めている保育園ではお昼を食べたあと、1歳児クラスの子どもたち(年度末の時期では半数以上の子どもが2歳になっている)はおやつまでの2~3時間…
人が誰かの働きかけによって何かしようとするときには、合理的・目的的な理由よりも、その相手の思いの強さによるところが大きい。これは子どもと毎日過ごしていて身をもって感じることである。 かけがえのない「あなた」と他ならぬ「私」の関係性の中で、「…
保護者と良好なコミュニケーションを築くために、前提となる心構えとして、すべての保護者はその人特有の価値観を持っており、その価値観に基づいて子育てをしているということを理解する必要がある。その上で、保育者は子どもに関する専門性をもとに、それ…
「保育サービス」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか? これは保育士の就職をはじめとした各種試験においてよく問われることである。 「何を思い浮かべますか」という聞き方自体おかしくて、つい「ちょうちょが飛んでるお花畑を思い浮かべます」とか答…
私たちは「言葉の力」とか「言葉の重要性」といった口当たりのいいキャッチフレーズを安易に信じてしまいがちである。 だが、そもそも言葉とは人間にとってどのようなものであるのか、ということを考えずにそれらを盲信するのはあまりに皮相的である。そのよ…
子どもの行動に注目するのではなく、その行動の背後にある心の動きをくみとることで、子どもとのやりとりがスムーズになるということがよくある。 それは育児をする上でのテクニックである以上の、子どもの成長にとって必要な関わり方でもある。 事例をもと…
私たち大人の子どもへの関わり方に、子どもにどう育って欲しいと思っているのかが端的にあらわれる。 たとえば、1歳の子どもが他の子どもが遊んでいるおもちゃを横取りした時の、次の二つの対応を考えてみたい。 A:「お友だちのおもちゃを取ってはいけませ…