オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

成人式が無くたって、きっとみんなは明るい未来が作れるよ

実家の妹が新成人だ。

 

緊急事態宣言が出たため、成人式は中止だ。一生に一度の成人式だったのにと、妹や母はとても残念がっている様子だった。

 

僕も、ああ、かわいそうだな、と思いかけるが、でも、実際はかわいそうなんかじゃないのではないかと、すぐに思いなおす。僕たちの成人式は、あたりまえにあるものでありがたくもなんともなくて、何となく集まって、何となく同窓会があって飲みに行く流れが既定路線だった。

 

妹は、今までの当たり前がない世界で新成人になるわけだが、誰かに与えられて何となく過ごす成人式ではないかたちで、しっかりと成人の喜びを感じたり、新成人同士の新たな形でのつながりかたを作っていけるのではないかと、そんな風に思った。振袖を着て、家の前で実家の家族同士で写真を撮って、近所の神社に参拝に行って、本当に仲のいい友だち数名と屋外で写真を撮りあう……、もしかしたら、僕たちの成人式よりよっぽど二十歳の喜びを感じられたのではないかと思う。

 

妻が、妹のために何かしてあげたい、と言って、アクセサリーを買うことを提案してくれた。早速買いに行って、大人っぽいK10のダイアモンドのネックレスを一緒に選んでくれた。幼子がいるから、というのを言い訳に、お祝いされる側の妹をうちに呼びつけて、プレゼントを渡す。とても喜んでくれて、こちらもとても嬉しい。大丈夫、きっと今年の新成人の未来も明るいよ。