オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

神宮前美容院、吉祥寺ハモニカ横丁

神宮前


美容院に行く。


最近引っ越しをして、引っ越す前に近所で使っていた美容院に行くのが不便になったので、妻が普段行っているところに一緒に行く。


神宮前にある古いマンションの一室をリノベーションした、ナチュラルな雰囲気の空間。オッシャレー。


「オシャレなものってムカつくよな~」とふだんは思っているのに、妻がいつもお世話になっている美容師さんの気さくな人柄もあって、すっかりくつろぐ。美容師のコミュニケーション能力の高さったら何なんだ、いったい。


――後ろも横もすっきりさせちゃってください。でも、イケメンサラリーマンがよくやってるような「ツーブロックにしてます」みたいな髪型は嫌です。それ以外は、よきにはからってください。


髪型のことはあまりわからないので、漠然とした注文しかできないのだけれど、僕の意図をきちんと汲みつつ、今風な髪型(たぶん)に切ってくれて、満足する。


あとは、毎朝僕が寝癖を整えられるかどうかだ。

吉祥寺 ハモニカ横丁


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夕方からは、妻の以前の職場の同僚と待ち合わせて三人で飲みに行く。


一軒目は吉祥寺のハモニカ横丁の端っこの方にあるタイ料理屋に行く。タイ風の内装が、横丁の雑多な雰囲気とよく似合う。狭い店内に2階があるのも驚きなんだけど、トイレに行くために階段を上ってみると、妙にがらんとして薄暗い客席、よからぬ雰囲気の男たちが現地の言葉でよからぬ相談をしているような、本物のアジアの店屋に来たような気分。


さっきエスニックだったからと同じ横丁内の、今度は和食の居酒屋。プレハブみたいな建物の扉を開くと一人ずつしか通れない急な階段で、2階につくと、そこは10畳くらいのフロアにちゃぶ台をふたつ並べて、その周りを座椅子をぐるりと並べた席。店屋でご飯を食べる、という概念を覆すような雰囲気。下宿の共同食堂みたい。「ここか、もう一つ上の席になります」というので上に行ってみると、物干し場を改築したような狭小な場所。窓の外を観ると、風に揺れる提灯と横丁の店々のトタン屋根とが見えて、耐震強度とか心細い気持ちになるけど、駅ビルの「atre」という電飾も見えて、現実に戻される。


一軒目も二軒目も、料理がおいしくって、お酒も入って、独特の雰囲気の中で楽しい時間。


仕事を辞めた後だから話せる、職場のゴシップや本音を、妻も妻の元同僚もたくさん話していて、噂はかねがね聞いている僕も、楽しい気分。マジメで、優しそうな雰囲気をした地顔が困り顔の人でも、内心ではいろいろ思っているんだなあ、と当たり前のことに感心する。


最後はくぐつ草という喫茶店に流れて、アイリッシュコーヒーやらラムココアパンプディングで締める。駅に向かう途中、遊びに行った帰りの、大学生の妹に偶然会って驚く。外で見かけても、「若い子」としてしか認識できず、妻のほうが先に気づいてあいさつし合ってたから(女子同士でやる、きゃーって高い声を出しながら手を振るやつ)、妻の知り合いかと思った。楽しく飲んでご機嫌なうえに、思わぬところで久々に妹に会ってうれしい(はじめ気づかなかったけど)。うれしいので、駅前の何でもない道端で妻の元同僚に記念撮影してもらって別れる。


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寒い日が続く中にぽこんと現れた、先走った春のような陽気の一日。いい気分で過ごした。夜は寒くなるかも、と持って行ったコートは、結局着ることのないまま、ずっと手にもって帰ってきた。