オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

結婚した理由は?

自転車で行ける距離のところなら、電車でいった方が楽だとしても、自転車を選ぶ。


自転車で自分の体を動かす方が気持ちがいい、というのも表向きはある。


でも本当は、自転車に乗っていたら、最初から最後まで移動が一人でいい、というのが最大の理由かもしれない。


駅まで一緒に歩く、方向が同じなら一緒の電車に乗る、そうなったとしても別段、会話もなくて気づまりだ、という思いをするわけではない。けど、仕事やら研修やら遊びやらで誰かと一緒にいた後は、一人になりたいと思う。気づまりではないにせよ、気づまりな間を作らないようにするのはやっぱり億劫だから。駅までの道中で、電車内で、めくるめくアバンチュールが起こっているのかもしれなくて、僕はもしかしたら損をしているのかもしれないけど、気楽さに流れてしまう。


研修だった。


研修内容は実になることも多く楽しかった。


研修の後には懇談会もあった。


結婚して安定した生活をしたいと話す20代前半の女の子に、なぜ若いのに結婚しようと思ったのか、と聞かれた。


様式美として「勢いですよ」とうそぶいたあとで、ちょっと考え込む。


――この人と結婚したら何があっても幸せになれると思ったからですかね。


妻の問題解決能力の高さ、環境への適応力、寛大さ、挙げ始めたらきりが無いんだけど、ともかく、この人と結婚したら、どんなことがあっても一緒に乗り越えていけて、楽しく過ごせると思って結婚したのだった。


いわゆる「安定」した生活を求めて結婚したわけではなくて、ありきたりな言い方だけど、どこに行っても、何があっても生活していける、そう思えていることが何よりの安定なんじゃないか。


こういう全部を自分より若い人に話したら、きっとうざいんだろうなぁ、と思って、彼氏がどんな人なのか聞いて、それはそれで楽しく過ごす。人と話をすると、自分とは違う価値観を見聞きできて地検が広がるだけでなく、自分が考えていることを改めて知ることができて刺激的。


帰りは、いい気分で自転車ですいすい帰ってきた。