緊張の保育園調理活動
ピーラーの先についているのは、実は包丁とおなじものだ、と聞くとみんな緊張した。
それでも、にんじんやジャガイモの皮をむき始めるとやっぱり刃物を扱っているという自覚は薄れるようで、シャキーンシャキーンなどと調子に乗り始める子どもがいた。指の川まで一緒にスライスしそうで恐ろしい。
保育園の調理活動だった。
左手は猫の手にして、包丁とは仲良し! 昔、自分が母に習ったのと同じように子どもに声をかける。野菜を抑える手を切らないように指を軽く握り、包丁の側面に触れるようにして、押し出すようにして切る。
それでも包丁はその刃物然としたフォルムが恐いらしく、みた肩を怒らせながら真剣に切る。(でも力の入れ方がぎこちなくてなかなか切れない)
最後は、輪切りにしたにんじんとじゃがいもを、星やハートやくまの型抜きにしていく。こちらは単純作業。
とにかく、緊張した。誰がって、保育士が! あれだけ緊張して包丁やピーラーを使うのを見守っていたのに、子どもたちに聞いてみると、型抜きが一番楽しかった! とあっけらかんと言われて、なんだかがっくり。簡単でかわいいものができるのだから、そらそうか。
コミュニケーションやら接遇やらの研修を受けた。
どんな種類の研修を受けても言われることはほとんど一緒で、最近ではIQよりEQが大事だ、知能指数より感情指数、ということ。頭がいいよりも、社会性のほうが大事です、ということ。
社会性はたしかに大切。異論はあーりません。だけど、みんながみんなニコニコ感じよいってのも、気持ち悪くないかい?
人と違うことを考えていて、それゆえ人にあまり理解されづらい、なんて人が考えていることもきっと何かの役に立つと思っているので、IQよりもEQ! EQが低い人はダメ! みたいな風潮には、ちょっと同調したくないなぁ。