新宿末廣亭 二月上席 夜の部(7日目)
新宿の末廣亭に行く。夜の部の、7時から9時の終演まで。あんまり長くいるとお尻が痛くなるから、最後の方だけ。
古今亭菊之丞 「町内の若い衆」
恐妻・悪妻の見本のような語り口。感じ悪い女の語りの中に、妙な色っぽさが滲むのが不思議。下品なサゲに爆笑。
柳家小せん 「鷺とり」
仲入り後、小せんさんが高座に上がった直後に地震。
「みなさん、私がここにいる限りは大丈夫です。もしダメなら噺家は一番に逃げ出していなくなってます」
という意味合いのことを言って笑いを取っていて、どんなこともアドリブで笑いに変えるのはさすが。
林家楽一 紙切り(勧進帳、ひな人形、梅に鶯、巌流島の決戦、五郎丸)
紙切りの技術はもちろんのこと、複雑な形を鋏一つで表現しながら、飄々と客とやり取りができるのだから、すごいよなぁ。
巌流島をリクエストした初老のお客さんは、先代と先々代の楽一さんにも同じ巌流島を切ってもらったそう。師から弟子へ脈々と受け継がれる芸の伝統を感じる。
楽一さんは「家で見比べたりしないでくださいね」
桂南喬「鮑のし」
南喬さん演じる甚兵衛といったらもう、気のいいバカを絵に描いたよう。安心して笑う。
入船亭扇辰 「ぼやき酒屋」
創作落語なのだけど、扇辰さんの人のよさそうな風貌で語ると、自分の体験談を話しているようで、こちらもなんだかかわいいボヤキに聞こえる。
鏡味仙三郎社中 太神楽
師匠といった体の初老の芸人さんととともに、僕と同年代かそれより若い人が一緒に出てきて、立派に演じていた。すごい芸だ。