オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

ピクニック

5歳の子どもが、河原の土手の斜面を駆け降りていく。2歳のきょうだいもあとを追いかける。その先には、前の職場で一緒だったU子さんが、彼女の1歳の娘を遊ばせている。U子さんに会うのは5年ぶりだった。

 

5歳は、U子さんたちとは関係なく、親戚からもらった子どもカメラで対岸のマンションを撮ったり、川面の光の反射を写したりしている。2歳は、U子さんに声をかけてもらって、U子さんの娘と石を拾ったり、菜の花を摘んだりしている。

 

そんな様子を眺めながら、そこまで久しぶりではないMちゃんとAちゃんと僕は、持ち寄ったお惣菜を食べながら、仕事の愚痴や、運動不足解消のために始めたり、始めようかと思っているけどたぶん実際にはやらないだろうと思ったりしている運動について話す。

 

5歳が戻ってきて、今撮った写真について説明しながら次々に見せてくる。Mちゃんは「オタクの早口」と楽しそうに笑う。 陰キャのくせに自己肯定感が高いっていいよね、そういう子どもも健やかに育っていってほしいよね。大人たちが飲み食いしているレジャーシートの周りで勝手に遊んでいるだけで、子どもたちは楽しそう。

 

僕が子どもたちと遊んだり、Mちゃん、Aちゃんが子どもたちに連れ出されたり、U子さんが戻ってきて娘を寝かせたりしながら、合間あいまで、細切れに話をする。

 

前の職場を離れてからの月日で、結婚した人も、していない人も、子どもが生まれた人も、変わらず同じ職種で働き続けている人も、働いていない人もいた。全員に共通する話題はたぶん無かった。みんなで盛り上がる時間があるわけでも、びっくりするような話が出てくるわけでもなかった。それでも、みんながそれぞれ、(少なくとも表向きは)元気に過ごしていることは嬉しかった。

 

3月下旬にしてもあたたかい、穏やかな光に満ちた日だった。