「何もかも全部憶えてる」という記憶、あるいは願い――高山なおみ、山田稔明、夏石鈴子をめぐって

食べたものが僕の体を作っていくように、僕が生活していく中で考えたことや感じたことも、何もかも全部、僕の細胞となって、僕を形作っている。今日食べたごはんも、壁のポストカードも、写真で写したようにすべてを憶えていることはできなくても、たしかに僕の一部となって、「なにもかもずっと憶えてる」ことはできるん…