オランウータン日誌

保育士をしています。本と落語と自転車が好きです。

上野鈴本演芸場11月6日夜席(主任:台所おさん)

都心で研修を終えた後、上の鈴本演芸場に落語を聴きに行く。


ごはんつぶ:転失気
花いち:たぬき(新作?助けてもらったたぬきが、恩返しにたぬき界のかわいいどころを独身の男に世話しようとする噺)
仙三郎社中:太神楽
緑助:つる
甚語楼:長短
ダーク広和:奇術
勧之助:湯屋
―仲入り―
ホンキートンク:漫才
彦一:長島の月
楽一:紙切り
おさん:大工調べ


久しぶりの落語。ふりかえってみると9月の中旬以来!10月はどれだけ心身にゆとりのない生活を送っていたんだ、俺よ……。


で、その9月の落語もおさん師匠だった。しかも同じ「大工調べ」。


今回、まくらで、柳家花緑に弟子入りした理由の一つに、花緑が幼少のころから江戸っ子だから、福岡出身でなまりの強い自分がつくにはよいだろうと思った、自分は江戸っ子の歯切れのいい啖呵にあこがれがある、というようなことを言っていて、「ああ、大工調べかな」と思った。


前回もおさん師匠の同じ噺だから、内心ちょっとがっかりしたんだけど、ところがどっこい、ちゃんと楽しめて、むしろ前回よりも満足度は高いくらい!


おさん師匠の与太郎は、「高座だけでなくふだんからオドオドしてます」という彦一師匠からの証言からもうかがえる通り、噺家のキャラクターにぴったりすぎる。おっさんがおっさんに対して使う言葉ではないことはわかってるんだけど、とってもかわいい!
もちろん、棟梁が啖呵を切るところは迫力があってかっこよくて、客席からも拍手が起こっていたのだけど、そのあとで与太郎ががたがた震えているさまとか、見よう見まねで大家に毒づこうとしているさまは面白いだけでなく微笑ましさすら感じる。


やっぱりいいなぁ、寄席は。何ともいえないいい雰囲気で、すっかりご機嫌で帰ってきた。